NUX(ニューエックス)から発売されているギター・ベース用ワイヤレス「NUX B-2」。
実際に購入して何か月か使ってみたので、その使用感等について解説します。
※現在、NUX B-2は国内での生産が終了しているようです。海外輸入による販売等を見かけますが、割高なのでおすすめしません。
音質は文句なしのレベル
まず、「NUX B-2」の音質についてです。
CUSTOM AUDIO JAPANのシールド(1メートル)と音の違いを比較してみると、「NUX B-2」のほうが少しだけ低音が弱めに聴こえますが、劣化というより単純に「違い」という感じで、著しい音の劣化は感じません。
比較的安価なワイヤレスですが、この音質は素晴らしいと感じています。
レイテンシーは気にならない程度
「NUX B-2」のレイテンシーは、公式の仕様によると「5ms以下」とのこと。
実際に弾いて確認してみましたが、多くの人はレイテンシーなど感じないのではないでしょうか。
ちなみに僕の場合、DAWでのライン録音の際など、設定次第ではレイテンシーが気になってしまうのですが、「NUX B-2」のレイテンシーは特に気になりません。また、速いフレーズを弾くときにレイテンシーがあるとすごく気持ち悪いのですが、「NUX B-2」では速いフレーズも問題なく演奏できます。
装着感も問題なし
「NUX B-2」は、写真のように可動部で折り曲げることができます。
実は以前、ギターに装着した「NUX B-2」がブラブラと動いてしまう映像を見たことがあり、少し心配だったのですが、実際に触ってみると少し固めの手応えで、ブラブラと動いてしまう気配は感じられません。
テレキャスターのジャックでも干渉しない
ちなみに、「NUX B-2」はテレキャスターのジャックにも問題なく装着できます。可動部分が干渉するようなこともなく、ボディに沿うように曲げておくことが可能です。
電源スイッチ付きなので挿しっぱなしOK
「NUX B-2」の本体側面には、スライド式の電源スイッチがついています。
ワイヤレスのなかには、BOSSの「WL-20」のように、プラグの抜き差しで電源がオンオフになるものもありますが、その場合は使い終わったら絶対にプラグを抜かなければなりません。
「NUX B-2」の場合は、電源さえ切れば自宅のアンプなどに接続したままでも問題ないので便利です。
マウスとの相性問題
さて、ここからは「NUX B-2」の気になった点にも触れておきましょう。
あくまで僕の場合ですが、自宅PCのワイヤレスマウスとの間で、「相性の問題」がありました。
PCの前に座り、「NUX B-2」を接続したギターを弾くと、マウスが言うことを聞かなくなってしまうのです。具体的には、マウスカーソルがいつまでもスーッと動き続けてしまう状態…。マウスをギターから遠ざけると問題は解消されるのですが、それはそれで少し不便です。
チャンネル1の音切れ問題
「NUX B-2」で演奏をしていると、一瞬ではあるものの、「プツッ」と音が途切れることがあります。
たまに音が途切れるぐらいならまだよいのですが、1分間のうちに何度も音が途切れるので、静かな環境で練習しているときは気になります。
最初、部屋のPCが関係しているのかと思い、Wi-Fiをオフにしたり、PCの電源そのものを落としたり、いろいろと試してみましたが、どれも効果はありませんでした。
とはいえ、それはデフォルトの「チャンネル1」に限った話です。本体のボタンを押して「別のチャンネル」に切り替えることで、音切れの問題はほぼ解決します。
ただ残念なのが、この「NUX B-2」は電源投入時、強制的にチャンネル1へと戻ってしまう仕様なのです。そのため、別チャンネルを使うなら、電源を入れるたびにチャンネル選択ボタンを押さなければなりません。その仕様が意外と面倒に感じました。
バッテリーはカタログスペック以下
「NUX B-2」のバッテリーに関しては、期待をやや下回る印象でした。
説明書には「6~20時間の使用ができる」と書いてありますが、6時間以上も使うのは無理でしょう…。笑
電源を入れっぱなしで弾いたり、たまに休んだり、という一般的な使い方で、大体3~4時間ほどは使えていると思います。
トランスミッターが必ず先にバテる
「トランスミッター(送信機)」と「レシーバー(受信機)」のうち、トランスミッター側が必ず先に電池切れになるのも気になる点です。
レシーバーは電池残量50%以上なのに対し、トランスミッター側はほぼゼロ、といったことが当然のように起こります。
電池残量について何度かテストしてみたところ、2回充電したトランスミッターより、1回だけ充電したレシーバーのほうが長持ちする様子でした。トランスミッターはレシーバーに対し、2倍以上のスピードで電池が減っていることになります。
ただ、ワイヤレスシステムの都合上、トランスミッターのほうが電池消費が激しいのは、どうしようもないことかもしれませんね。
電池残量の確認について
ちなみに、「NUX B-2」の電池残量は、電源を入れた直後にランプがいくつ点灯するかで判断できるようになっています。
電源を入れた直後しか確認できないため、やや不便ではありますが、個人的にはそこまで不都合は感じていません。
電池がなくなりそうになると、赤いランプが常時点滅する仕様になっています。
スリープモードについて
「NUX B-2」は、無音状態が10秒間続くと、「スリープモード」に入る仕様になっています。
実際にしばらく演奏せずにいると、サーッというノイズがアンプから聞こえなくなるので、スリープ自体はたしかに機能しているようです。
ただ、スリープのおかげで電池が長持ちしている感じはしない、というのが正直なところです。
少し注意しなければならないのが、スリープからの復帰時、音の頭に少しだけ影響がある点です。曲中にブレイクのある曲などをライブ等で演奏するつもりの人は要注意です。
おわりに
「NUX B-2」の使用感等について解説しました。
すべてにおいて満足しているわけではありませんが、足元にうねうねと広がるシールドのうっとおしさが完全になくなる点は本当に快適です。家のギターやアンプに挿しっぱなしにして、使うときはそのままスイッチを入れるだけなのもラクです。
シールドの煩わしさから解放されたい人は、一度試してみるとよいかも…?