ギターという楽器は、本体だけ買えばOKというものではありません。ほかにもいろいろなものが必要となります。
ですが、これからギターを買う人、ギターを買ったばかりの人からすれば、何が必要なのかよく分からないかもしれません。
この記事では、そんな初心者たちに向けて、「ギター以外に必要なもの」をまとめて紹介します。
必要なものを買う前の注意
ギター以外に必要なものはいろいろありますが、何が必要かは人によって異なります。
自分の場合は何が必要になるかをよくチェックして、必要ないものまで買ってしまわないように注意しましょう。
買うべきかよく分からないものに関しては、慌てて買おうとせず、「また今度」と気楽に考えましょう。
ギター本体といくつかの関連製品がセットになった「初心者セット」のようなものは、あまりおすすめしません。質の低すぎるもの、人によっては必要のないものがセットになっていることが多く、さほどお得でもないからです。
ギター以外に必要なもの
ではここから、ギター以外に必要なものについて見ていきましょう。
ピック
指先で軽く握って弦をはじく、そのためのアイテムが「ピック」です。
ピックにはさまざまな種類があり、選ぶものよって出音のニュアンスや弾き心地が変わります。
ピックの形について
正三角形に近い「トライアングル型(オニギリ型)」と、涙のような形をした「ティアドロップ型」が代表的といえるでしょう。
トライアングル型はコードストローク(コードを押さえてジャカジャカ鳴らす)向き、ティアドロップ型は細かい単音プレイに向いている、などとよく言われますが、そこはあまり気にしなくてOK。
トライアングル型とティアドロップ型の両方を買っておいて、使いやすいと感じたほうを使用するのがおすすめです。
ピックの素材と厚みについて
ピックには「素材」や「厚み」という点でも多くの種類が存在し、それぞれ音のニュアンスや弾き心地が異なります。
各自の好みで選ぶものですが、何も分からない初心者の場合、まずは一般的な素材といえる「セルロイド」のピックを試すことをおすすめします。
厚みに関しては、程よい厚みである「ミディアム」または「ヘヴィ」のピックがおすすめです。
ミディアム | ヘヴィ |
---|---|
約0.70mm | 約1.0mm |
コードストローク向き | コードからソロプレイまで万能 |
FENDER ( フェンダー ) / 351 Shape Classic
歴史あるフェンダーのオーソドックスなティアドロップ型セルロイドピック。癖のないピックで、最初の1枚におすすめです。
FENDER ( フェンダー ) / 346 Shape Classic
同じくフェンダーのトライアングル型セルロイドピック。ティアドロップ型と一緒に購入し、どちらがよいか試すのがおすすめです。
チューナー
ギターを演奏するには、弦を巻きつけたペグをクルクルと回し、決められた音の高さに合わせる「チューニング」をしなければなりません。そのチューニングの際のガイド役となるのが「チューナー」です。
チューナーにもさまざまな種類がありますが、初心者には気軽に使える「クリップ式チューナー」がおすすめです。ギターネックのヘッド部分に挟んで使用します。
KORGのクリップチューナー「Pitchclip 2」。リーズナブルな価格で視認性もよく、気軽に使いたい初心者におすすめです。
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / UniTune Clip
TC ELECTRONICの「UniTune Clip」。抜群の精度でプロからの評価も高く、予算に余裕がある人にはおすすめです。
ギターアンプ
エレキギターの場合、ただ弾くだけではテケテケとした生音が地味に響くだけです。まともな音を出すためには、「ギターアンプ」に接続する必要があります。
ギターアンプは、音楽スタジオやライブハウスに行けば必ず置いてありますが、自宅練習用にアンプを1台持っておくのが理想的です。
ギターアンプの王様ブランドMarshallの小型アンプ「MG15R」。天下のマーシャルサウンドを自宅でも堪能できます。
ヤマハの自宅練習用アンプ「GA15II」。リーズナブルな価格ながらもツボを押さえた設計で人気です。
BOSSの超コンパクトな練習用アンプ「KATANA-MINI」。場所を取らず、小音量でも本格的なサウンドで練習できるのが魅力的です。
エフェクター
エレキギターの場合、素の音に特定の効果(エフェクト)を加えて、出音を大きく変えることが可能です。そのための機械を「エフェクター」といいます。
荒々しいロックサウンドや幻想的な響きの音など、エフェクターを使えばさまざまな音色を作ることができます。
エフェクターには、単一の効果しか持たない「コンパクトエフェクター」と、さまざまなエフェクトを1台に詰め込んだ「マルチエフェクター」があります。
コンパクトエフェクターは、自分好みのエフェクターを複数組み合わせることで、とことん拘った音作りが可能ですが、台数が多くなることで配線が複雑になったり、運びづらくなってしまうのが難点です。
一方、マルチエフェクターは1台で完結する手軽さが強みですが、収録されているエフェクトのなかで音作りをする必要があるため、自由度ではコンパクトエフェクターに分があります。
NUXのマルチエフェクター「MG-30」。比較的低価格ながらも質の高いサウンドで、初心者にもおすすめです。
同じくNUXのマルチエフェクター「MG-300」。MG-30より機能面で劣りますが、より省スペースで重量も軽く、コストを抑えたい初心者におすすめです。
シールド
エレキギターやエレアコをギターアンプ等と繋ぐために必要なのが「シールド」です。
シールドを製造するメーカーはたくさんあり、どれを選ぶかで音色は多少変化します。とはいえ、大幅に音色が変わるわけではないので、初心者は「長さ」を気にするだけでも問題ないでしょう。
大抵の場合、「3メートル」のシールドがあれば充分です。
CANARE ( カナレ ) / PROFESSIONAL CABLE G03
CANAREの楽器用シールド。リーズナブルな価格ですが、必要充分なクオリティで初心者におすすめです。
ストラップ
立ってギターを弾きたい人には「ストラップ」が必要になります。
ストラップにも多くの種類があり、太さや素材などさまざまです。それぞれ使い心地は異なりますが、使う前から細かいことを気にしても仕方ないので、まずは見た目の好みなどで直感的に選ぶことをおすすめします。
ストラップを取り付けるための「ストラップピン」が2つあるアコギの場合、一般的なストラップをそのまま使用できますが、ストラップピンが1つしかないアコギの場合、ネック先端のあたりを紐で縛る必要があります。
ERNIE BALL ( アーニー・ボール ) / 4037 POLYPRO STRAP
古くからあるERNIE BALLの定番ストラップ。どんなギターにも合うシンプルなデザインで、すべてのギタリストにおすすめです。
PLAYTECH ( プレイテック ) / Nylon Strap
PLAYTECHのナイロン製ストラップ。紐がついているので、ストラップピンが1つしかないアコギにもすぐに取り付け可能です。
ケース(バッグ)
外にギターを持っていくつもりなら、何かしらの「ケース(バッグ)」が必要です。
店頭でギターを購入した場合はケースも付属するのが普通ですが、通販の安価なギターの場合はケースが付かないことも多く、別途用意する必要があります。
ギターケースには大きく分けて、「ハードケース」と「ソフトケース(またはギグバッグ)」という分類があります。
ハードケースは頑丈ですが、それなりに重量があるため、持ったまま歩き回るのには適していません。ソフトケースは軽いので気軽に持ち歩けますが、ハードケースのような頑丈さはもちろんありません。
自分の用途を考えて、適切なタイプのケースを選びましょう。
PLAYTECHのエレキギター用ギグバッグ。軽くて機能性に富んだデザインながらも、厚手のパッドでギターをしっかり守ってくれます。
SKBのアコギ用“セミ”ハードケース「SC18」。ハードケースの頑丈さとソフトケースの気軽さを合わせ持った作りになっています。
ギタースタンド
ギターを立て掛けることができる「ギタースタンド」。
絶対に必要なものではありませんが、部屋で頻繁にギターを弾くつもりなら、スタンドがあったほうが便利です。ギターを手にとる回数が増え、上達も早くなります。
PLAYTECHのギタースタンド「GS1BK」。安価ですが、安定性や耐久性ともに問題ないのでおすすめです。
カポタスト
「カポタスト」とは、任意のフレットを押さえっぱなしの状態にするための道具です。
使わない人は一切使わないものですが、アコースティックギターで弾き語りをする場合など、弾きたい曲によってはカポタストが必要になるかもしれません。
古くから愛されるSHUBBのカポタスト「S1」。アコースティックギター全般と、指板の湾曲が緩やかなエレキギターに適しています。
弦(交換用)
最初から張ってある弦が錆びてきたら、新しい弦に交換しなければなりません。
通常、太さの違う6本を1セットとして扱いますが、やや細めの弦をセットにしたもの、やや太めの弦をセットにしたものなど、いくつかのバリエーションがあり、それによって音のニュアンスや弾き心地も異なります。
どんなセットの弦を張るかはプレイヤーの好みですが、初心者の場合はギターへの負担が少なく、かつ弾きやすさに優れた「細めの弦のセット」がおすすめです。
ERNIE BALL ( アーニー・ボール ) / Super Slinky #2223
エレキギター弦の大定番、ERNIE BALLのスーパーライトゲージ「Super Slinky(09 – 42)」。やや細めの弦でチョーキング等もしやすく、すべての初心者におすすめです。
ERNIE BALL ( アーニー・ボール ) / Hybrid Slinky #2222
同じくERNIE BALLの「Hybrid Slinky(09 – 46)」。Super Slinkyと比べて4~6弦が少し太くなっているため、よりパワフルな低音を実現します。ややハードなロックを好むギタリストにおすすめです。
DADDARIO ( ダダリオ ) / EJ10 80/20 Bronze Wound Extra Light
DADDARIOのアコースティックギター弦「EJ10 80/20 Bronze Wound Extra Light(10 – 47)」。ギターに負担の少ない細めの弦で押弦もしやすく、アコギ初心者におすすめです。
ストリングカッター(ニッパー)
弦交換の際、弦を切るために使う道具が「ストリングカッター」です。
ストリングカッターがあれば、太い低音弦を切るのも簡単です。
PICKBOYのストリングカッター。切れ味、耐久性ともに抜群でおすすめです。
クロス
ギターに付着した汗や汚れを拭き取るためのものが「クロス」です。
弦や指板を拭く用に1枚、その他ボディなどを拭く用に1枚、最低2枚は用意することをおすすめします。
FERNANDES ( フェルナンデス ) / WCS Polishing Cloth 625S
フェルナンデスのポリッシングクロス「625S」。サラリとした手触りで毛羽立ちも少なく、扱いやすいのでおすすめです。
おわりに
ギター以外に必要なものをまとめて紹介しました。
無理して一度に揃える必要はないので、必要だと感じたものから順に買い揃えていきましょう。