ギターを修理に出す場合、ある程度の期間はギターを預けなければなりません。では、どのくらいの期間、預けなければならないのでしょう?
- ギターを修理に出すなら数か月待つのが当たり前
- 半年~1年以上待つことも普通にある
こんな話をたびたび見聞きしますが、これらを真に受けてはいけません。「微妙な店(人)」に修理を依頼してしまうと、何か月も待たされるハメになってしまうのです。
この記事では、ギターの修理期間が店によって大きく異なる事実ついて解説します。
同じ修理でこれだけ違う「修理期間」
同じ内容の修理依頼なのに、店によってその対応期間に天と地ほどの差があった、という僕の実体験を紹介しましょう。
エレキギターのネックに関する問題と、フレットのすり合わせについて、まとめて対応してもらったときのことです。
- A店(郊外)……3か月待って見積もりすら出ない
- B店(都心)……9日で修理完了
なんと、任せる店によってこれほどの差が出てしまうのです。
リペアショップによる対応の違い
そもそも、修理期間がどうこうの前に、店側の対応そのものに大きな差がありました。
具体的にどんな様子だったか、ざっと書いておきましょう。
A店の場合(微妙なリペアショップ)
僕の家の比較的近所にあったA店。ギターを持っていき、店主に状態をチェックしてもらったのですが、どうも曖昧な対応でした。
![](https://guitarwithme.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/ojisan.png)
料金?修理期間?まぁ、ちょっと見てからですね…。
そう言って言葉を濁すのみ。とりあえず、言われるがままにギターを預けてみたのですが、その後の連絡はなく…。
「修理するなら料金は○○ぐらい、期間は○○くらい、どうします?ウチで修理しますか?」
そんな連絡が数日後には来るのかな…と思っていましたが、3か月たっても何の連絡もありませんでした。
B店の場合(まともなリペアショップ)
困り果てた僕は、都心にあるB店にメールで問い合わせたところ…。
![](https://guitarwithme.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-man.png)
その症状だと○○な感じの修理内容になります。料金は○○円ほど、場合によってはプラス料金○○円が掛かります。2週間ほどで直せます。
あまりの対応の違いに驚きつつ、急いでA店にあるギターを取り返しに行ったのは言うまでもありません。笑
実際にB店へギターを預けに行くと、修理の内容や料金について、その場でとても丁寧に説明してくれました。納期に関しても大体ではなく、はっきりとした日にちを伝えてくれたので、安心して預けることができました。
その後、9日で修理完了。納期よりも数日早く、修理完了の電話がかかってきました。
なぜ楽器の修理で何か月も待たされるのか?
![](https://guitarwithme.com/wp-content/uploads/2021/08/PAK160219170I9A0088_TP_V4.jpg)
僕が最終的にギターを預けたのは、都心の大手リペアショップ。都会のど真ん中、しかも駅の近くにあるので、依頼の数もかなり多いと予測できます。
それでも、ほとんどの修理を2週間以内に終わらせると公言し、実際に有言実行しているのです。それに対し、半年や1年たっても修理が終わらない店があるのはなぜでしょうか?
1本のギターを修理し始めて、それが終わるまでに半年や1年もの時間がかかるはずありません。それだけ待たされるのは、「修理に取りかかるまで」に時間がかかっているからです。修理に取りかかるまでに時間がかかる理由は、修理待ちのギターやベースがたくさんたまっているからでしょう。
では、修理待ちのギターやベースがたまっている理由は何でしょう?
「人気のあるリペアショップだから」はたぶん不正解。なぜなら、何度も言うように、都心で利用者の多いリペアショップでも、預けて2週間以内に修理を終わらせているからです。
修理待ちの楽器がたまってしまう理由は、きっとこんなところでしょう。
- スケジュールを組まず、なんとなくやっているから
- 仕事の効率が悪いから
- たいしてやる気がないから
- 仕事量に対し、人手が足りていないから
- 別の仕事(ギター製作など)と同時進行だから
要は、管理能力、人手、やる気など、何かしらが欠落しているのです。そのわりにどんどん楽器を預かってしまうから、修理待ちの楽器がたまってしまうのです。
「丁寧にやっているから時間がかかる」という考え方もあるかもしれませんが、その結果、半年や1年も人を待たせてしまうなら、効率が悪いと言わざるを得ません。
どんな店に修理を依頼すべき…?
では、大事な楽器をなるべく早く返してもらうためには、どんな店に修理を依頼すべきでしょうか。ここでまとめておきましょう。
まず、「納期や料金をその場で言おうとしない店」には、なるべく預けないようにしましょう。曖昧な対応をする人は、仕事への取り組み、責任感など、あらゆることがルーズです。そんなところへ楽器を預けては、長期間待たされることがほぼ確定しているようなものです。
また、修理を専門的に扱う「リペアショップ」ではなく、一般的な「楽器屋」に修理を依頼した場合、少し長く待つことになる、と知っておきましょう。楽器屋で直接修理をすることは少なく、その店から別のリペアショップなどに持っていくため、それだけ日数が長くかかってしまうのです。
もし、楽器屋に依頼して何か月も待たされているなら、一度楽器を取り返して、まともなリペアショップに依頼し直すほうが早いかもしれません。
それから、ギターやベースの修理に関しては、多少遠くても「まともな店(信頼できる店)」に依頼しましょう。店までの交通費や時間をケチってしまうと、かつての僕のように痛い目をみるかもしれません。
都心の大手リペアショップなどは、郵送による修理の受け付けを行っていることがあります。自分の住んでいる地域にろくなリペアショップがない場合には、郵送による修理依頼を検討してみましょう。
おわりに
ギターの修理期間が店によって大きく異なる事実ついて解説しました。
大事な楽器を修理に出すなら、なるべく早く返してほしいですよね。皆さんが楽器を修理に出す際は、この記事の内容を思い出して、微妙な店に依頼してしまわぬよう気をつけてください。
その後、ギターを取り返しにいったとき、「急ぎならすぐ直しましょうか?いつぐらいに使う予定…?」などと言われたのですが、すぐ直せるならなぜ早くやらなかったのでしょうね…。笑