軽音部、軽音サークル、音楽スクール・・・。いろいろな環境でギターを弾いてきた僕のまわりには、当然ですがギター仲間がたくさんいました。
そこそこ上手い人もいれば、そうでない人もいて、割合でいえば上手くない人のほうが圧倒的に多かったと思います。
そんな「あまり上手くない人たち」が、その学校を卒業するころには上手くなっていたか・・というと、答えはノー。まったくといっていいほど変わらなかった人がほとんどでした。年数が経てば上手くなる、というわけではないのです。
では、ギターが上手くなる人とそうでない人の違いとは一体なんでしょう?
自分の経験をもとに、考えをまとめてみたいと思います。
ギターが上手くならない人の共通点とは?
何年か経ってもギターが上手くならない人たちには、「ある決定的な共通点」が存在することに気づきました。
- 世界レベルのギタリストのことをあまり知らない
- ギターを弾いてはいるが「練習」をしていない
上達しなかった人たちは皆、この条件にあてはまっていたと思います。
以下、もう少し詳しく解説していきます。
世界レベルのギタリストのことをあまり知らない
ギターがあまり上手くならなかった人たちは、世界トップクラスのギタリストについて、ほとんど知らないようでした。
- 名前も知らない
- 名前はなんとなく知っているが曲はよく知らない
大体このような感じだったと思います。
国内人気ロックバンドのギタリストに憧れていたりはするのですが、名実ともに「本物」といえるような海外ギタリストにはあまり興味を持っていない様子でした。必然的に、演奏技術への探究心もそこまで高くないわけです。
国内人気バンドのギタリストたちの多くは、技術面とは別の部分で魅力があり、技術以外の魅力でファンを獲得している場合がほとんどだと思います。
その国内ギタリストに憧れている人と、海外の超一流ギタリストに憧れている人とでは、目標とする人物の技術レベルが違いすぎるので、練習の量や質、情熱などに大きな差が生まれるのです。
ギターを弾いてはいるが「練習」をしていない

ギターがあまり上手くならない人にはもうひとつ共通点がありました。
日頃からよくギターに触れてはいるものの、練習といえるような練習をほとんどしていなかったのです。
具体的には次の3つのような特徴がありました。
- 弾けるようになった曲をいつまでも弾いている
- 同じような曲をコピーし続ける
- 上手く出来ないことに向き合わない
1. 弾けるようになった曲をいつまでも弾いている
これは決して悪いことではないのですが、弾けるようになった曲を何度も弾いたところで、技術の向上には繋がりません。
明確な問題意識を持った上で弾いている場合は少し違いますが、ただ曲を弾いているだけだと、ギター演奏を楽しんでいるだけで練習にはなっていないのです。
ギターが上手くならない人は、この傾向が強かったと思います。
2. 同じような曲をコピーし続ける
ある程度ギターが弾けるようになった人の場合、同じような曲をコピーするだけではなかなか上手くなりません。
自分にとって未知のジャンルや、自分とはまったく違うプレイスタイルの曲をコピーすることは新たな開拓、すなわち「練習」となるのですが、同じバンドの同じような曲をコピーし続けても、レパートリーが増えるだけで技術の向上には繋がりにくいのです。
3. 上手く出来ないことに向き合わない
何か上手く出来ないことに直面したとき、その問題と向き合おうとしなければ、当然ですが上手くはなりません。
- きれいにビブラートを掛けられない
- 速いフレーズが弾けない
- アドリブ演奏ができない
ギターが上手くならない人たちは、こうした問題に直面しても向き合おうとせず、1の「弾けるようになった曲をいつまでも弾く」というパターンに逃げてしまう傾向が強かったと思います。
世界レベルのギタリストに興味を持っている人は、ここで諦めずにいつまでも粘り続ける傾向があります。強く憧れているから粘るのです。そして悪戦苦闘している時間すらも楽しんでいるので、勝手にどんどん上手くなっていくのです。
上手くなるために必要なこととは?
ギターを初めて数か月程度の人なら、好きな曲をどんどんコピーしていくだけでもよいと思います。そうやってギターに慣れて、ギターのことを知っていくことで、少しずつ上手くなっていくでしょう。
ただし、それで上達するのは最初のうちだけです。そのまま同じことを続けても、途中でピタッと成長が止まるはずです。
その壁をこえるために必要なのは、苦行のような練習にひたすら耐えることではありません。一流のギタリストに強い憧れを抱くことが必要なのです。
世界トップクラスのギタリストに対する強い憧れは、上達への強い執念となります。その強い執念があれば、自分がなぜ上手く弾けないのかを徹底的に研究するようになります。その研究が楽しくて仕方ないので、毎日夢中で取り組むようになるのです。
弱い憧れ、弱い執念では優れた技術は身につきません。技術を持ったギタリストに強く強く憧れているかどうかが重要です。
おわりに
演奏が上手いことは素晴らしいことですが、上手くなければいけない、とは決して思いません。
上手くないとしても音楽を楽しむことはできるし、あまり上手くない歌や演奏が、ほかの誰かを感動させることもあるのです。
それでもギターが上手くなりたいと思う人は、まず世界トップクラスといえるギタリストの演奏をたくさん聞いて、たくさん見てください。
その中に、心の底から「カッコいい!」と思える人がいたならば、頑張って真似してみてください。あとは自然と上達していくと思います。
もちろん、世界トップクラスのギタリストと同レベルに達することは難しいでしょう・・。でも少なくとも、まわりのギター友達から「おまえギターめっちゃうまいな!」と言われるくらいのレベルには到達できるはずです。