使わなくなった楽器や機材を、部屋の隅にとりあえず置く…。
「いつかまた使うかもしれないし…」
でも、そうやって保管しておいたもののほとんどは、どうせ使わないんですよね…。(たぶん9割以上)
そんな楽器や機材が家のなかにたくさんある人は、人生において「結構な損」をしているかもしれません。
持っているだけで実は「損失」
「また使うかも」=「手放すと損な気がする」
そんな思考から所持し続けたりするわけですが、実際には所持し続けることで損をしていたりします。
楽器や機材を保管するには、当然ですがその分のスペースが必要です。とっておくものが増えれば増えるほど、スペースも必要となるのです。
すると、部屋が圧迫されて窮屈な暮らしを余儀なくされたりします。あるいは、もっと広い部屋が必要になったり、部屋がもうひとつ必要になったりするかもしれません。
つまり、使わないもののために窮屈な日々を強いられたり、プラスアルファの家賃的なコストを強いられることになるわけです。
使わない楽器や機材をなんとなく所持し続けることが、実は立派な損失となっているのです。
デジタル系の機材は「すぐ化石になる」

「また使うかも…」と所持し続けているうちに、みるみる価値が下がってしまうものがあります。ギターに繋ぐマルチエフェクターのような、デジタル系の機材がその代表例でしょう。
その手の機材は、一部例外はあるものの、そこそこのスパンで新モデルが登場します。基本的に、新しいもののほうが「機能面でレベルが上」となることが多いので、新モデルが発売されてしまえば、わざわざ古いモデルを欲しがる人は減るのです。
そのため、古いモデルをいざ売りに出そうと思っても、あまり高い値段では売れません。
デジタル系の機材こそ、「もう使わないかな」と感じたら即刻売ってしまうべきです。
迷うものは基本「不要なもの」
人は誰でも、本当に必要なものを「売ろう」とか「処分しよう」とは思いません。
「これ、まだ使うかなぁ…」なんて悩む時点で、それはすでに「なくても困らない不要なもの」なのです。
思いきって売り飛ばしたあとに、万が一、必要となったのであれば、そのときは単純に買い直せばいいのです。逆に言うと、「いざとなったら同等品を買い直せるか」を基準にして売り飛ばすか否かを決めればよいわけです。
買い直すのにはもちろんお金がかかりますが、ろくに使わないものを所持し続けることの損失を考えると、さっさと売ったほうがむしろ得である、というケースはたくさんあると思います。
売るための手段とそれぞれのメリット・デメリット
楽器や機材を売るのにも、いくつかの選択肢があります。それぞれのメリットやデメリットについて確認してみましょう。
オークションやフリマで売る
「ヤフオク」や「メルカリ」といった、ネットオークションまたはフリマアプリを利用すれば、不要な楽器や機材を手軽に売買することができます。
ひと昔前なら出品者・購入者ともに個人情報を晒さなければいけなかったのですが、近年では名前や住所といった個人情報を隠したまま商品の発送・受け取りができるようになりました。(匿名配送サービス)
見知らぬ他人に個人情報を知られることに抵抗がある人でも、これによって安心して取り引きができます。
オークションやフリマの場合、基本的には個人同士の直接の売買となるので、うまくやればほかの手段よりも高い値段で売ることが可能です。
自分の売りたいものが大体いくらぐらいで購入されているのかを調べると、おおよその相場が把握できます。オークションの場合はスタート価格が高すぎると買い手がつかないので、うまく調整しましょう。
デメリットがあるとすれば、出品するまでの手間(写真の撮影など)と、落札・購入されたあとの発送までの手間でしょうか。それらが苦でない人にとっては、よい手段だと思います。


楽器屋などに持ち込んで売る
買い取りをしてくれる楽器屋やリサイクルショップに売るのもポピュラーな手段です。楽器や機材を持ち込んで査定してもらい、掲示された金額に納得なら売買成立です。
店に持っていくだけなので、人によってはオークションやフリマよりも楽に感じるかもしれません。
ただし、楽器屋などで売る場合、オークションやフリマに比べて安めの金額で買い取られてしまう可能性が高くなります。店側は買い取ったものを中古品として販売するわけですが、買い取り金額のまま販売しても1円も儲かりません。そのため、利益分を上乗せして販売するわけですが、その結果の額が高すぎると買い手がつきません。だから、なるべく安い金額で買い取ろうとするのです。
とはいえ、オークションやフリマでの諸々の手続きなどが面倒に感じる人には、よい選択肢となるはずです。
買取業者に自宅まで来てもらう
オークションやフリマは面倒、楽器屋に行くのも面倒、という面倒くさがり屋の人にとっては、買取業者が自宅まで査定に来てくれる「出張買い取りサービス」を利用するのがよいかもしれません。
この手のサービスを利用すれば、家から一歩も出ることなく、楽器や機材を処分することができます。いらない楽器や機材が家のなかにゴロゴロある、という人にとっては、いちばん効率がよさそうです。
出張買い取りサービスも、楽器屋に持ち込んで売る場合と同様、オークションやフリマより安めの金額になってしまう可能性があります。ただ、あまり手間をかけずに自宅に眠っている楽器・機材を一括処分できるので、人によってはこの方法がいちばん楽かもしれません。
友達にあげてしまう
例外的かもしれませんが、仲のよい友達にあげてしまうのもひとつの手です。
売ったところでたいした金額にならないとか、捨てるのは胸が痛むといった場合に、欲しがっている友達がいればタダで譲ってしまうのもよいと思います。
先にも述べたように、不要なものを所持し続けることは損失にもなります。たとえお金にならないとしても、その友だちが喜んで使ってくれるなら、それはそれでよいのではないでしょうか。
ツラいなら「写真や動画」に残して処分を!

僕自身も、なんとなくとっておいた機材などが山のようにありました。でも、結局使わないんですよね。いざ売ろうと思っても、そのときには悲しいほどの低価格でしか売れなかったり…。
いまは、「また使うかも…の9割は使わない」と自分に言い聞かせて、売却や処分を考えるようにしています。
「正直使わないんだけど、手放すのはなんとなく胸が痛む…」
そんなこともあると思います。その場合は、写真や動画におさめて思い出というかたちで残しておき、もの自体は処分するのがおすすめです。
何度も言うように、使わないものを所持し続けることは損失となります。よほどの豪邸に住んでいるとか、お金に一切困ることのない暮らしをしている人は別ですが、使っていない楽器や機材は潔く処分することを考えてみましょう。
