ベースの打ち込みが面倒すぎて安いベースを買った結果・・・

DTM / DAW

ギタリストだけどベースは持っていない、そんな理由でベースを打ち込みにしているギタリストDTMerも結構いるのではないでしょうか?

僕もその一人でしたが、ベースの打ち込みの細かい部分が面倒くさすぎてだんだん嫌になり・・・。

あるとき思いきって安いベースを買ってみたのですが、結果は大正解でした。

具体的に何がよかったのかなど、実際に買ってみて分かったことをまとめてみたいと思います。

ベースを買ってよかったと思うポイント

いざ本物ベースを導入してみたら、DTMでの作業上のメリットがたくさんありました。

打ち込みだと超面倒なことが一瞬で終わる

ベースの打ち込みではとにかくスライドが面倒でした。スライドのスピード感やタイミングなどがなかなか思うようにならず、何度も微調整する必要があったのです。

また、弾く弦やポジションを指定するのも面倒で、かといって何も指定しないと意図しないポジションでの演奏になることがあり、大きなストレスとなっていました。

こうした面倒な要素が、実際にベースを演奏すれば一瞬で思いどおりになるので、ストレスなく作業を進められるようになりました。

音の長さで悩まなくなった

打ち込みでは、音の長さの微妙な調整に手こずることがよくありました。少し伸ばしすぎかなと思って短くすると、今度は逆に短すぎな気もして、再生しながら何度も確認・調整する必要があったわけです。

実際にベースを演奏してみると、ごく自然に最適な長さになる、というのでしょうか。あまり深く考えなくても音を切るタイミングなどが自然と分かり、音の長さのことで悩むこともなくなりました。

よりベースらしいフレーズが浮かぶようになった

打ち込んだベースラインを本物のベースで弾いてみると、なんだか変だなと感じることが多々ありました。鍵盤を使ってベースラインを構築していたので、実際に演奏するには無理のある、不自然なフレーズを打ち込んでいたのだと思います。

本物のベースに触りながらフレーズを構築することで、より自然でグルーヴ感のあるベースラインが作れるようになりました。

想像以上に音が良かった

安いベースを買ったので音に関してはまったく期待していなかったのですが、意外にも使える音だと思いました。

音源の場合は特定の音でローが出すぎていたり、逆に物足りなかったり、簡単に言うと帯域のムラのようなものがあったのですが、実際のベースはその点も安定していて、ミックス作業もラクになったと感じています。

僕が使っていたNative Instrumentsのベース音源もなかなかの音ではあったのですが、それよりも安ベースで録音した音のほうが断然よいと感じました。

触っているうちにベースも上手くなる

僕がベースを買わずにいた理由のひとつに、指弾きがうまくできなかった、というのがあります。

ピックさえ使えばベースもそれなりに演奏することはできたのですが、当時は指弾きの音のニュアンスを求めていて、それならばベース音源を使ったほうがよいだろう、と思い打ち込みに頼っていたわけです。

ですが、ベースを買って手元に置いておけば、なんだかんだで指弾きも上達していくものだと痛感しました。

僕の場合、ギターの練習に少し疲れて、気分転換になんとなくベースを手にとって練習する、ということがよくありました。そうこうしているうちに苦手な指弾きも少しずつさまになっていくのです。頑張って練習する、と意気込んだりせずとも、近くに置いてさえあれば自然と上達していくと思います。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/205282/

ギターと共にすぐ手の届く場所にベースを置いておくことが重要だと思いました。

最初はピックで弾けばいい

指弾きがうまくできないうちは、割り切ってピック弾きで録音してしまうのがいいと思いました。

ピック弾き=ガツガツしすぎて苦手、という印象があったのですが、いざ自分で弾いてみたらそうでもなく、むしろ指弾きベース音源の音よりも好みの音が鳴ってくれて意外でした。

ピック弾きも弾き手によって (ピッキングの仕方によって) 、まったく異なるニュアンスの音になることを強く実感しました。

安いベースを買う際の注意点

安いベースを買う際は、ピッチの面などで著しい問題がないかどうか、よく確認するようにしましょう。通販の場合は、届いたらなるべく早めに確認するといいでしょう。

プレイテックの激安ベース。安物にしてはなかなかの出来だった。

僕はプレイテックの1万円ほどのベースを買ったのですが、1万円にしてはかなりよく出来ていると感じました。ピッチや弦高も問題なく、フレットのフチの仕上げもまずまず。ネックがわずかに逆反り気味にセットアップされていたので自分で調整しましたが、ほかは特に問題ありませんでした。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/90869/

ベース音源にもメリットはある

ベースを買ってよかったのは間違いないのですが、音源のほうを使わなくなったわけではありません。両方をうまく利用して曲作りを進めていけば、それはそれで便利だということに気がつきました。

僕の場合、まずスライドや弦の指定など細かいことはすべて無視して、とにかく全体的なスケッチを打ち込みで終わらせてしまいます。そのあとでベースを触りながらフレーズを構築し、いい感じのラインが見えてきたら録音していく、というやり方にしています。曲のアウトラインを作る際にはベース音源を使用したほうがラクだと思いました。

コードに沿って音程を素早く変更し、スピーディーにスケッチしていくには、やはりベース音源が便利だと感じています。

おわりに

リアルなベースを打ち込むために、今までたくさんのことを学び実践してきました。しかし、それよりもさっさとベースを買うべきだった・・と少し後悔しているのが本音です。

鍵盤が得意で弦楽器が弾けない人なら打ち込みがベストな気がしますが、ギターが弾ける人は、やはり本物のベースがあるといろいろ捗るようになると思います。